「スタップ細胞」の顛末(てんまつ) 2014.12.22
「スタップ細胞」が発表されたのは今年なのに、
随分前のことに感じてしまう。
小保方晴子という割烹着を着た理研の若き研究者が、
突然にマスコミに登場し、華々しく報道されたとき、
私はとても胡散臭いものを感じていた。そこには、
まるで芸能人の戯言会見と同質なものが見えたからだ。
小保方氏が「スタップ細胞はあります!」と、釈明会見が
テレビで放映されたあとも次々と疑惑の報道は続いた。
そのころラジオ番組に出演した元・埼玉県議の評論家 小沢遼子は
「小保方さんは美人だから何を言っても許されるのよ」と言い、
「みんな信じましょうよ」みたいな事を言っていた。
それにしても、小沢遼子のような終わっている人ならともかく、
理研・笹井副センター長を始め、
若山・山梨大学教授、ハーバード大のバカンティ教授、
こういった一流といわれる研究者たちが、何の検証もしないままに、
なぜに「小保方のスタップ細胞」という御輿を担いでしまったのか、
まったく理解ができない。
理研・笹井副センター長は、ES細胞の世界的な権威であり、
エリート中のエリートだったそうである。
そのような理系のトップに君臨する優秀な人材が、
なぜ、どうして、あのような記者会見をしたのか?
あのような記者会見とは、
わざわざ「スタップ細胞」と 山中先生の「iPS細胞」の比較表をつくり、
「スタップ細胞は iPS細胞に比べて、簡単に作れて癌化のリスクも少ない…」
それを強調・自慢したいだけの記者会見にみえた。
私は、笹井氏と小保方氏がお互いの顔を見ながら、
あの会見で見せた得意満面の気色悪い顔が忘れられない。
小保方晴子という人は、理系の人間ではない。
実験ノートは落書き程度の幼稚なもので、
とても理系の人間が作成する緻密なものではない。
スタップ細胞の論文も写真も、コピペばかりの不正論文で、
そのようなインチキ論文が、どのような過程で笹井氏の推薦を受け、
世界で最も権威ある科学誌「ネイチャー」にたどり着いたのか、
摩訶不思議としか言いようがない。
笹井氏の自殺…。
これは、笹井氏があの記者会見の自らの醜さを恥じて、
その結果の責任をとったように私には思えた。
iPS細胞と比べて、スタップ細胞はこんなに優れている…
そんな会見をした醜い自分に疲れてきってしまったのではないのか。
それまで誰にも負けないで歩んできた理系トップの意地。
それが山中先生に崩されてしまった心の動揺…
そんな人生初の心の動揺を抱えた彼の目の前に現れた
理系にはない不思議な魅力を持った研究者もどきの小保方氏。
必死で実験を積み重ねている姿に嘘はないと信じ込む。
変な比較になるかも知れないが、
多くの理系のエリートが入信したオウム真理教事件にも、
精神的には似通った所があったのではないだろうか。
文系の人間の方が感受性が豊かで純粋だと思うのは間違いだ。
理系の人間の方が融通が利かず、純粋で騙されやすい。
万能細胞を熱望していた多くの患者たちを
失望させてしまったスタップ細胞の虚言。
それは小保方氏のみの責任ではない。
なぜに、理研のトップは未だに辞めないのか。
まだまだ「スタップ細胞」は問題だらけだ。