小才にたよる人 2016.01.03
27歳のときに、ひょんなことから塾関係の仕事をするようになって、
今春には30年になる。最近は老眼で困ることも多い。
30年間でも、初年度の生徒さんのことは、やはり印象が強い。
とくに、中3の11月のテストで、5教科合計で210点だった生徒Yさんのことは。
志望校は諏訪二葉。男女共学になったばかりで考えられない高倍率だった。
常識的に考えれば、合格は不可能といってもよかった。
担任はおろか、校長からも「真面目な受験生の迷惑になるから、志望校を変更するように」と
校長室に呼び出されて、説教を食らったそうだ。
でも彼女の意思は固かった。残り数カ月の時間を無我夢中で勉強した。
その年度の不合格者60名以上を尻目に、入試本番で380点以上をとり、Yさんは合格した。
もちろん決してYさんは頭が良い訳ではない。
頭が良ければ期末テストで210点など取るわけがないのだ。この仕事を30年もやっていると、
その後の生徒さんの状況も、時々耳に入ってきたりするが、
一番ダメな人は、決まって「小才にたよる人」である。
やらなくても、ある程度はできる‥そんな気持ちが「頑張る気持ちになる」という才能を奪ってしまう。
「頑張る気持ちになる才能」が豊かな人は、周りの人の気持ちも味方につけて、
入試に限らず、人生に勝利する。
みなさんはどうか、「小才にたよる人」にだけはならないでほしい。
自分を自分で決めつけない限り、そして努力する限りは、
亀はウサギに勝ってしまうのだから。